はじめてでも簡単!家族でオリオン座を見つけよう
はじめてでも簡単!家族でオリオン座を見つけよう
冬の夜空は、澄んだ空気のおかげで一年の中でも特にたくさんの星がきれいに見えます。その中でも、ひときわ存在感を放ち、多くの人々に親しまれているのがオリオン座です。
オリオン座は明るい星が多く、形も分かりやすいため、天体観測が全くはじめてというご家族にも見つけやすい星座です。この記事では、ご家族でオリオン座を簡単に見つける方法と、さらに楽しむためのヒントをご紹介します。
なぜオリオン座は初心者におすすめなのか
オリオン座が天体観測初心者におすすめなのには理由があります。
- 明るい星が多い: 一等星のベテルギウスやリゲル、そして特徴的な三つ星など、明るい星が多く集まっているので、街明かりがある場所でも比較的見つけやすいです。
- 形が分かりやすい: 鼓(つづみ)のような、あるいは砂時計のような特徴的な形をしているため、一度見つけ方のポイントを知れば簡単に見分けられます。
- 見やすい時期: 冬の夜空に高く昇るため、寒い時期ではありますが、宵のうちから楽しむことができます。
- 他の星座の目印になる: オリオン座を見つけられれば、それをもとに冬のダイヤモンドを形作る他の星座(おうし座、ふたご座、おおいぬ座、こいぬ座)なども探しやすくなります。
オリオン座を見つける準備をはじめましょう
オリオン座を探しに行く前に、いくつか準備をしておきましょう。
いつ、どこに見える?
オリオン座は、冬の代表的な星座です。例年、12月から2月にかけての冬の時期に、宵の口(夕食後くらいの時間)から夜にかけて南の空に見えます。時間が経つにつれて、空高く昇り、西へと移動していきます。
必要なものは?
オリオン座を家族で見つけるために、特別な機材は必ずしも必要ありません。
- 肉眼: まずは肉眼で夜空を眺めてみましょう。オリオン座の明るい星なら肉眼で十分見つけることができます。
- 暖かい服装: 冬の夜はとても冷えます。帽子、手袋、マフラーなどをしっかり身につけ、重ね着をして暖かくしましょう。使い捨てカイロもあると便利です。
- 懐中電灯(赤い光がおすすめ): 足元を照らしたり、持ち物を探したりするのに使います。天体観測では、暗闇に目が慣れるのを妨げないように、赤いセロハンなどを貼って光を弱めると良いとされています。スマートフォンを使う場合は、画面を暗く設定したり、赤いフィルターを使うアプリなどを利用すると良いでしょう。
- 敷物や椅子: 長時間観察する場合は、地面に座るための敷物や、折りたたみ椅子があると楽です。
- 星座早見盤や天体観測アプリ: なくても見つけられますが、星座早見盤やスマートフォンの天体観測アプリがあると、空にかざすだけで星座の名前や位置が分かるので、より簡単に、そして楽しく探すことができます。
安全に楽しむための注意点
- 暖かい服装で: 体を冷やさないことが大切です。
- 足元に注意: 暗い場所では、段差や障害物に注意して歩きましょう。懐中電灯で足元を照らしながら移動します。
- 観測場所の確認: 安全な場所を選びましょう。交通量の多い道路の近くや、足場の悪い場所は避けてください。自宅の庭やベランダでも十分楽しめます。
- 親子で一緒に: お子様だけで暗い場所に行かせず、必ず大人と一緒に観測してください。
オリオン座を簡単に見つける方法
いよいよ夜空を眺めてオリオン座を探してみましょう。いくつか簡単なステップがあります。
- 冬の南の空を見る: 冬の夜、南の空の高いところを探します。
- 「三つ星」を探す: オリオン座の一番の特徴は、ほぼ等間隔で縦に三つ並んだ明るい星「三つ星」です。まずはこの三つの星を探してください。肉眼でもはっきり見えます。これがオリオン座の「帯」の部分です。
- 三つ星の周りを見る: 三つ星が見つかったら、その周りを見てみましょう。三つ星の上の方にオレンジ色に光る明るい星(ベテルギウス)、下の方に白く光る明るい星(リゲル)が見えるはずです。
- 全体の形を確認する: ベテルギウス、リゲル、そしてその対角線上にある星(それぞれベラトリックス、サイフ)を結ぶと、オリオン座の「肩」と「足」にあたる四角形が見えてきます。この四角形と中央の三つ星を合わせて見ると、鼓のような、あるいは人が立っているようなオリオン座の形が見えてくるでしょう。
双眼鏡でさらに楽しむ
もし入門用の双眼鏡があれば、オリオン座の三つ星の下にある「小三つ星」のあたりを眺めてみてください。ここには「オリオン大星雲」という、ぼんやりとしたガスのかたまりを見つけることができます。肉眼では小さな点やぼんやりとした光にしか見えないものも、双眼鏡を使うと少し大きく見えたり、色や形が分かったりすることがあります。
オリオン座の楽しみ方と学び
オリオン座を見つけられたら、さらに色々な方法で楽しんでみましょう。
主な星を見てみよう
- ベテルギウス: オリオン座の右肩(向かって左上)にある明るい星です。少しオレンジ色や赤っぽい色に見えるのが特徴です。これはベテルギウスが「赤色超巨星」という、表面温度が比較的低く、大きく膨らんだ星だからです。
- リゲル: オリオン座の左足(向かって右下)にある明るい星です。青白く輝いて見えるのが特徴です。リゲルは「青色超巨星」という、表面温度がとても高い、明るく大きな星です。
同じ星座の中でも、星によって色や明るさが違うことが分かります。なぜ色が違うのかな?と疑問を持つことが、宇宙への興味の入り口になります。
オリオン座の神話に触れてみよう
オリオン座には、ギリシャ神話に登場する狩人オリオンの物語があります。美しいオリオンが、さそり座の毒針によって命を落としてしまい、女神アルテミスの願いによって星座になった、というお話などが有名です。星座の形を見ながら、どんなお話なのか調べて読んでみるのも楽しいでしょう。
オリオン座から他の星座を探してみよう
オリオン座の三つ星を右上にたどっていくと、赤い目を持つおうし座のアルデバランが見つかります。三つ星を左下にたどっていくと、おおいぬ座のシリウス(全天一明るい星)が見つかります。オリオン座は、冬の夜空の星座探しのスタート地点としても最適です。
家族でオリオン座を楽しむアイデア
- 観察ノートをつける: 見えた星の名前や色、形を絵に描いてみたり、観察した日の天気や時間、どんな場所で見たかなどを記録したりするノートを作ってみましょう。
- オリオン座の形を描いてみる: 新聞紙などに、見たままの星の位置を点として描き、線を結んでオリオン座の形を描いてみましょう。
- 星の名前や神話について調べてみる: 図鑑やインターネットを使って、ベテルギウスやリゲルの特徴、オリオンの神話について、子供と一緒に調べてみましょう。簡単な言葉で説明されている子供向けの図鑑がおすすめです。
- オリオン座の絵や工作: 色紙を切って星の形を作り、オリオン座の配置に並べて貼ったり、段ボールで星座板を作ったりするのも楽しい遊びです。
まとめ
冬の夜空に輝くオリオン座は、天体観測がはじめてのご家族にとって、星座探しの素晴らしい第一歩となるでしょう。明るい星が多く、形が分かりやすいので、特別な機材がなくても肉眼で見つけることができます。
三つ星を目印に、オレンジ色のベテルギウスや青白いリゲルを探し、オリオン座の形を見つけてみましょう。星の色や明るさの違いに気づいたり、星座にまつわる神話に触れたりすることで、夜空を見るのがもっと楽しくなるはずです。
安全に注意しながら、暖かい服装で、ご家族で冬の夜空を見上げてみてください。きっと、オリオン座が優しく輝いて迎えてくれるでしょう。はじめての星空観測体験が、ご家族の素敵な思い出の一つとなることを願っています。