夜空の星?それとも惑星? 家族でわかる見分け方とふしぎ
夜空を見上げると、たくさんの光が瞬いていますね。「お星さまだね!」と子供と一緒に話すのも楽しい時間です。でも、実は夜空に見える光の中には、「星」と「惑星」という、全く違う種類の天体があることをご存知でしょうか。
この二つの違いを知ると、いつもの星空が違って見えてきて、天体観測がもっと面白くなります。この記事では、夜空の「星」と「惑星」を見分けるヒントと、それぞれの天体がどんなものなのかを、家族みんなで楽しめるようにやさしくご紹介します。
夜空の光、どっちかな? 見分け方のヒント
肉眼で見える夜空の光。それが「星」なのか「惑星」なのか、簡単な見分け方がいくつかあります。難しい道具は必要ありません。まずはお子さんと一緒に、夜空を見上げて試してみてください。
ヒント1:瞬いているか見てみましょう
一番分かりやすい見分け方は、「瞬いているかどうか」です。
- 瞬いている光:これはほとんどの場合、遠くにある「星」(恒星)です。
- あまり瞬かない、じっと光っているように見える光:これは「惑星」であることが多いです。
どうして瞬き方が違うのでしょうか? これは、地球からの距離と、天体の見かけの大きさが関係しています。遠くにある星(恒星)は、地球から見るととても小さな点にしか見えません。そのため、地球の空気のゆらぎ(大気の揺れ)の影響を大きく受け、光がブレて瞬いているように見えるのです。
一方、惑星は星(恒星)に比べると地球に近いところにあります。近いと言っても、もちろんとてつもなく遠いのですが、点ではなく少しだけ丸い形(面)として見ることができます。面として見えるので、空気のゆらぎを受けても光全体がブレる影響は小さく、あまり瞬かず、比較的安定した光に見えるのです。
ヒント2:明るさも参考に
夜空でひときわ明るく輝いている光があれば、それが惑星であることもよくあります。特に金星や木星は、見える時期によっては夜空で一番明るく輝く「星のような光」に見えます。
ただし、明るさだけで判断するのは少し難しいかもしれません。明るい星(恒星)もたくさんありますし、惑星も時期や位置によって明るさが変わるからです。瞬きと合わせて判断すると良いでしょう。
ヒント3:決まった星座の中にいるかな?
星(恒星)は、地球から見ると何年も何十年も同じ位置にいて、星座を作っています。しかし、惑星は太陽の周りを回っているため、夜空で見える位置が少しずつ変わっていきます。まるで夜空を「さまよっている」ように見えることから、「惑星」という名前がついたとも言われています(「惑星」は英語でplanet、ギリシャ語で「さまよう人」という意味の言葉が語源です)。
ある日見えた明るい光が、数週間後や数ヶ月後に星座の中を少し移動していたら、それは惑星かもしれません。これはすぐに確認できることではありませんが、家族で「あの光、前と同じ場所にいるかな?」と話してみるのも面白いですね。
そもそも「星」と「惑星」ってなあに? やさしい解説
では、見分け方のヒントの次は、「星」と「惑星」がどんな天体なのか、もう少し詳しく見てみましょう。
星(恒星)ってどんな天体?
夜空に瞬いて見える「星」のほとんどは、「恒星」と呼ばれる天体です。
- 自分で光っている大きな天体:恒星は、私たちの太陽のように、自分自身で光り輝いています。それは、天体の中心で核融合というエネルギーを生み出す反応が起きているからです。
- 地球からはるか遠くにある:恒星はどれも地球から見るととてつもなく遠い場所にあります。太陽は近い恒星ですが、それ以外の夜空の星は、太陽よりも何万倍、何億倍も遠くにあります。
- だから点に見える:あまりに遠いため、たとえ太陽よりずっと大きな恒星でも、地球から見ると小さな光の点にしか見えないのです。夜空に「点」として見えている光のほとんどが、この恒星です。
惑星ってどんな天体?
一方、夜空であまり瞬かずに光って見えることがある「惑星」は、恒星とは全く違う天体です。
- 恒星の周りを回っている:惑星は、自分自身で光りません。恒星(太陽など)の周りを決まった道をぐるぐると回っています。
- 恒星の光を反射して光って見える:惑星が光って見えるのは、恒星(太陽)の光を受けて、それを反射しているからです。月が太陽の光を反射して光って見えるのと同じです。
- 恒星に比べると地球に近い:恒星と比べるとずっと地球に近いところにあります(もちろんそれでも遠いですが)。
- 太陽系の仲間:地球も惑星の一つです。太陽の周りには、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の8つの惑星が回っています。夜空で見える惑星は、この太陽系の惑星たちです。
例えるなら、恒星は自分で光る大きな電球、惑星はその電球の光を浴びて明るく見えるボールのようなものです。電球は遠くにあっても明るく見えますが、ボールは電球の光が当たらないと見えませんし、遠くにあると小さくしか見えませんね。
家族で楽しむ! 夜空の「星」と「惑星」探しをしてみましょう
「瞬いているかな?」「あまり瞬かないね!」
このように、お子さんと一緒に夜空の光を見ながら、「これは星(恒星)かな?」「これは惑星かな?」と話してみてください。今日見えている明るい光がどちらなのか、見分け方のヒントを使って観察してみましょう。
特に、金星や木星、土星、火星といった明るく目立つ惑星は、時期によって夜空によく見えます。これらの惑星は肉眼でもはっきりと、あまり瞬かずに明るく光って見えることが多いので、初心者の方や子供でも見つけやすい良い目標になります。スマートフォン向けの天体観測アプリを使うと、夜空にかざすだけで、見えている天体が星なのか惑星なのか、名前は何なのかがすぐに分かりますので、こうしたツールもぜひ活用してみてください。(天体観測アプリの詳しい使い方は、別の記事でご紹介しています。)
夜空の光の一つ一つが、実はとても遠い自分で光る太陽のような存在だったり、地球と同じように太陽の周りを回る仲間だったりするのだと分かると、星空の見え方がきっと変わってきます。
まとめ
夜空に輝く光には、自分で光る遠い「星」(恒星)と、恒星の光を反射して光る「惑星」があります。
- 見分け方のヒント:
- 瞬き:恒星は瞬く、惑星はあまり瞬かない。
- 明るさ:惑星は明るく見えることが多い。
- 位置:惑星は星座の中をゆっくり移動する。
- 天体の種類:
- 恒星:自分で光る遠い大きな天体(太陽もこれ)。
- 惑星:恒星の周りを回り、光を反射して光る天体(地球もこれ)。
家族で夜空を見上げて「あの光はどっちかな?」と話しながら観察する時間は、素敵な学びのひとときになるでしょう。ぜひ、今日から夜空の「星」と「惑星」探しを楽しんでみてください。きっと、新しい発見があるはずです。