家族で楽しむ 春の星座探し
天体観測に興味はあるけれど、何から始めたら良いか分からない、という方も多いのではないでしょうか。特に、お子様と一緒に星空を楽しみたいと考えているご家族にとって、星座探しは手軽に始められる素晴らしい第一歩です。
春は冬の寒さが和らぎ、夜空を見上げるのに心地よい季節になってきます。この時期に見られる代表的な星座を知って、家族で春の星空を楽しんでみましょう。
春の夜空で見つけやすい代表的な星座
春の夜空には、比較的見つけやすい明るい星や特徴的な並びの星が多くあります。ここでは、特におすすめの星座をいくつかご紹介します。
-
おおぐま座(Ursa Major) 一年中見られる星座ですが、春は特に高い位置に昇るため観測しやすいです。有名な「北斗七星」は、おおぐま座のお腹から尻尾にかけての星の並びです。ひしゃくの形をしているので、お子様とも「お水をすくう柄杓(ひしゃく)みたいだね」とお話ししながら探すことができます。北斗七星を見つけることが、春の星座探しの良いスタートになります。
-
しし座(Leo) 春の代表的な星座の一つです。ライオンのたてがみから前足にかけての星の並びが、鎌(かま)のような形に見えるのが特徴です。明るい星が多く、比較的見つけやすい星座です。勇ましいライオンの姿を想像しながら探してみましょう。
-
おとめ座(Virgo) 春の星座の中で最も大きく、明るい星スピカを持つ星座です。しし座の近くにあります。物語では、豊穣の女神デメテルの娘ペルセフォネとされることが多いようです。優雅な女神の姿を思い浮かべて探してみてください。
-
うしかい座(Boötes) おおぐま座の近くにあり、麦星(むぎぼし)とも呼ばれる明るい星アークトゥルスが目印です。おおぐま座の北斗七星の柄のカーブをそのまま伸ばしていくと、このアークトゥルスにたどり着くことができます。牛を追う牧人の姿とされています。
-
春の大三角 春の夜空には、明るい星を線で結んでできる大きな三角形があります。これは「春の大三角」と呼ばれ、うしかい座のアークトゥルス、おとめ座のスピカ、しし座のデネボラの3つの星を結んでできます。この大きな三角形を見つけると、春の星座の多くを見つけやすくなります。
家族で星座を探すための簡単な方法
専門的な機材がなくても、工夫次第で家族みんなで星座探しを楽しむことができます。
-
スマートフォンアプリを活用する 現在では、無料で使える優れた星空アプリがたくさんあります。スマートフォンの画面に映し出された空に、星座線や星座の名前、星の名前が表示されるので、アプリを夜空にかざすだけで簡単に星座を見つけることができます。お子様も直感的に操作できるので、一緒に楽しめるでしょう。いくつかのアプリを試して、使いやすいものを選んでみるのがおすすめです。
-
星図や星座早見盤を使う 昔ながらの方法ですが、星図(星の地図)や星座早見盤を使うのも楽しい方法です。星座早見盤は日付と時刻を合わせることで、そのときに見えている星空が分かるようになっています。電気を使わないため、暗い場所でも目が慣れやすいという利点もあります。一緒にくるくる回しながら星座を探すのは、お子様にとっても新鮮な体験になるかもしれません。
-
まずは明るい星や分かりやすい並びから探す いきなり全ての星座を見つけようとせず、まずは北斗七星や春の大三角のような、明るい星や特徴的な並びの星から探し始めるのがおすすめです。一つ見つけられると、そこから他の星座へと見つけ広げることができます。
子供と星空を楽しむための工夫
お子様と一緒に星空を見る際には、飽きさせずに楽しませるための工夫を取り入れてみましょう。
-
星座の物語を話す それぞれの星座には、ギリシャ神話などをはじめとする素敵な物語があります。難しい神話ではなく、子供向けにアレンジされた分かりやすい物語を聞かせてあげると、星座への興味が深まります。図書館などで子供向けの星座に関する本を借りてみるのも良いでしょう。
-
見つけた星や星座を絵に描く 夜空で見つけた星の並びや星座の形を、一緒に絵に描いてみるのも楽しいアクティビティです。「北斗七星はどんな形に見えた?」「ライオンのたてがみはどんな感じかな?」と問いかけながら、自由に描かせてみましょう。
-
天体にまつわるクイズを出す 簡単なクイズ形式で興味を引きつけます。「一番明るい星はどれかな?」「あのひしゃくの形をした星の集まりは何ていう名前かな?」など、知っている知識を確認したり、一緒に調べたりしながら楽しめます。
安全に観測するための注意点
家族で安心して星空を楽しむために、いくつかの点に注意しましょう。
-
安全な観測場所を選ぶ 街灯が少なく、空がよく見える場所が良いですが、お子様連れの場合は、安全な場所であることを第一に考えてください。自宅の庭やベランダ、近所の公園(夜間利用が許可されているか確認)、キャンプ場などが考えられます。足元が平らで、車が通らない場所を選びましょう。
-
夜は冷えるので防寒対策をしっかりと 春とはいえ、夜は思った以上に冷え込みます。重ね着をしたり、厚手の上着やブランケット、帽子、手袋などを用意して、暖かくして観測してください。温かい飲み物を持っていくのも良いでしょう。
-
足元を照らすライトを用意する 暗い場所では足元が見えにくいため、懐中電灯は必須です。ただし、明るすぎる白色の光は目が暗闇に慣れるのを妨げてしまうため、赤色の光が出るライトがあれば最適です。または、ライトを使うときだけ、足元をさっと照らすようにしましょう。
まとめ
春の夜空には、家族みんなで探しを楽しめる魅力的な星座がたくさんあります。特別な機材がなくても、スマートフォンアプリや星座早見盤を活用したり、星座の物語に触れたりすることで、お子様と一緒に発見と学びの時間を過ごすことができます。
安全に気を配りながら、この春はぜひご家族で夜空を見上げて、星座探しに挑戦してみてください。きっと、忘れられない素敵な思い出になるでしょう。