家族で楽しむ 流星群の観察方法
天体観測と聞くと、望遠鏡が必要なのではと思いがちですが、実は肉眼でも十分に楽しめる天体現象がたくさんあります。その中でも、家族みんなで一緒に「あっ、流れた!」と感動を分かち合えるのが流星群です。
特別な機材は必要ありませんので、天体観測がはじめてというご家族にもおすすめです。この記事では、流星群を家族で見るための準備や楽しみ方、子供にも分かりやすい流星群のお話をご紹介します。
流星群ってなあに? 子供にも分かりやすく説明してみましょう
夜空をすーっと光の筋が流れるのを見たことがあるでしょうか。あれが「流れ星」です。流れ星は、宇宙に漂っている小さなチリや砂つぶのようなものが、地球の空気に飛び込んできて、燃え上がるときに光って見える現象です。
普段は一つずつバラバラに飛んでくる流れ星が、ある時期にたくさん見えることがあります。それが「流星群」です。まるで、宇宙の小さな砂ぼこりが集まって、いっせいに地球の近くを通るときに起こる、年に一度の特別なショーのようなものです。
流星群の時期には、夜空の決まった場所(「放射点」と呼びます)から流れ星が飛び出してくるように見えます。この放射点がある星座の名前をとって、「ペルセウス座流星群」や「ふたご座流星群」のように呼ばれています。
家族で流星群を見るための準備をしましょう
流星群は、特定の時期に活動が活発になります。まずは、インターネットなどで今年の流星群の活動時期やピーク(最もたくさん見える日や時間)を調べてみましょう。月の明るさも重要で、月明かりが少ない夜ほど流れ星は見えやすくなります。
流星群を見るために必要なものは、特別な機材よりも「快適に夜空を見上げる準備」です。
- 場所選び: 街の明かりが少なく、空が開けている場所が最適です。公園や河原、自宅の庭など、安全な場所を選びましょう。足元に注意して、暗い場所での移動はゆっくりと行いましょう。
- 持ち物:
- レジャーシートや寝袋: 寝転んで空を見上げるのが一番楽な姿勢です。地面が冷たいので、厚手のものを用意しましょう。
- 防寒具: 夜は思った以上に冷え込みます。厚手のコートやブランケット、使い捨てカイロなどを用意しましょう。子供には特にしっかりと防寒対策をしてください。
- 飲み物とおやつ: 暖かい飲み物は体を温めてくれます。
- 懐中電灯: 足元を照らすのに必要ですが、赤色のライトの方が夜空に目が慣れた状態を保ちやすいです。使うとき以外は消しておきましょう。
- 星座盤や星空アプリ: 流星群の放射点がある星座を探したり、他の星座を見つけたりするのに役立ちます。
流星群を楽しく観察するためのポイント
準備ができたら、いよいよ流星群の観察です。
- 暗闇に目を慣らす: 観測場所に到着したら、すぐに空を見上げるのではなく、まず15分ほど暗闇に目を慣らしましょう。スマートフォンの画面など強い光は見ないようにしてください。
- 広く空を見渡す: 流れ星は放射点からだけでなく、空全体に出現します。放射点の方向だけでなく、空全体を広く見渡すようにしましょう。
- 寝転んでリラックス: レジャーシートなどに寝転んで、肩や首が疲れない楽な姿勢で空を見上げましょう。家族みんなで並んで寝転ぶのも楽しいものです。
- 気長に待つ: いつ流れ星が見えるかは分かりません。すぐにたくさん見えるとは限りませんので、気長に空を眺めることが大切です。家族でおしゃべりしながら待つのも良いでしょう。
子供ともっと楽しむためのアイデア
流星群の観察は、子供にとって忘れられない体験になります。さらに楽しむためのアイデアをご紹介します。
- 流れ星の数を数える: みんなで協力して、いくつの流れ星が見えるか数えてみましょう。誰が一番たくさん見つけられるか競争するのも楽しいかもしれません。
- 願い事を考える: 流れ星が見えたら三回願い事を唱えると叶う、というお話がありますね。どんな願い事をしたいか、事前に家族で話し合ってみるのも素敵です。
- 放射点の星座を探す: 流星群の名前になっている星座を、星座盤やアプリを使って探してみましょう。その星座の近くから流れ星が飛び出してくるように見えることを実感できます。
- 天体に関する絵本や図鑑を読む: 観測の前後に、流れ星や宇宙に関する絵本や図鑑を一緒に読んでみましょう。子供の興味をさらに引き出すことができます。
- 観測日記や絵日記をつける: 見た流れ星の数や、どんな願い事をしたか、その時の気持ちなどを絵や文章で残してみましょう。家族にとって大切な思い出になります。
流星群の観察は、特別な機材がなくても手軽に始められる天体観測の第一歩です。夜空を見上げながら、家族で一緒に宇宙の神秘を感じてみませんか。安全に注意して、素晴らしい夜空の体験をしてください。