はじめての星空

どうして街では星が少ないの? 光害ってなあに? 家族で学ぶ星空を守る方法

Tags: 光害, 星空保護, 家族向け, 子供向け

天体観測を始めてみようと思っても、いざ夜空を見上げてみると、思ったよりも星が少なく感じることがあるかもしれません。特に街中では、残念ながらたくさんの星を見るのは難しいのが現状です。

この原因の一つに、「光害」と呼ばれるものがあります。この記事では、光害とはどのようなものか、なぜ街では星が見えにくくなるのか、そしてご家族で美しい星空を守るためにできることについて、分かりやすくお話しします。

光害ってなあに?

光害とは、必要以上に明るい照明によって、夜空が明るくなってしまう現象のことを指します。

想像してみてください。晴れた日の夜、部屋の電気を明るくつけていると、窓の外がどんなに暗くても、遠くの景色や小さな星は見えにくいですね。これと同じようなことが、街全体で起きているのが光害です。

街にはたくさんの建物があり、夜になると街灯やネオンサイン、お店や家の中の明かりなど、さまざまな照明が使われます。これらの明かりが、必要以上に強く、そして夜空に向かって漏れ出すことで、空全体を明るくしてしまいます。これが光害の正体です。

なぜ街では星が見えなくなるの?

街の明かりは、夜空の空気中に漂うチリや水蒸気に反射したり散乱したりします。ちょうど、霧や煙の中で光を当てると、光の筋が見えるのと同じ原理です。

街の明かりが空中で反射・散乱すると、空全体がぼんやりと明るくなります。この明るさが、遠くにある星からの弱い光をかき消してしまうのです。まるで、明るい部屋から暗い場所にある小さなロウソクの火が見えにくいように、空が明るいと星が見えにくくなってしまうのです。

一方、街から離れた山の上や海岸などで星がたくさん見えるのは、周りに明るい照明が少なく、空が暗いため、星の光が遮られずに地上まで届くからです。

光害は星が見えにくいだけではない問題

光害は、単に星が見えにくくなるだけでなく、私たちの生活や地球の自然にも影響を与えると言われています。

例えば、

このように、光害は私たちにとって身近な、考えるべき問題の一つなのです。

家族でできる「光害」対策

美しい星空を未来に残すために、そして私たちの環境を守るために、ご家庭でもできる簡単な光害対策があります。

こうした日々の少しの意識が、光害を減らし、星空を守ることにつながります。ご家族で「この明かりは本当に必要かな?」と話し合ってみるのも良いでしょう。

また、天体観測をする際には、周りの明かりを消すことで、より星が見えやすくなることを体験できます。星空を見るために暗さが必要であることを知ることは、光害を身近な問題として捉えるきっかけになります。

きれいな星空を見に行くには?

たくさんの星を見たい場合は、やはり街の明かりから離れた場所が適しています。郊外の公園や、山間部、海岸沿いなどは、街中に比べて空が暗く、たくさんの星が見える可能性が高まります。

最近では、光害が少なく、美しい星空が見られる場所として「星空保護区」のような取り組みも世界中で行われています。こうした場所の存在を知っておくのも良いでしょう。

ご自宅で観測する場合でも、窓からの光が漏れないようにカーテンを閉めたり、ベランダに出る際は室内の明かりを消したりするなど、できる範囲で周囲を暗くする工夫をすると、より星が見えやすくなります。

まとめ

街の明かりによって夜空が明るくなってしまう光害は、星が見えにくくなるだけでなく、私たちの生活や地球の環境にも影響を与える問題です。

ご家庭でできる小さなことから始めて、光害を減らす努力をすることは、美しい星空を未来に残すことにつながります。ご家族で光害について話し合い、日々の暮らしの中で光を大切に使うことを意識してみましょう。

きれいな星空を見る体験を通して、光害について考え、星空を守ることの大切さをご家族で共有していただければ幸いです。